2007年1月4日

雪に覆われた田んぼの中

私たちが広げようとしている田んぼは、生きものがいっぱいの田んぼです。
例えばイトミミズやユスリカなど小さな生きものたち、もうちょっと大きな生きもののカエル、クモたち、それぞれがちゃんとした役割を持って、田んぼで生きているんです。
(その役割については、「自然耕米って何」というページを読んでください)

でも、冬の田んぼではそんな小さな生きものたちは、土の中で冬眠しているか、息をひそめて春が来るのをじっと待っているんです。
1年前の冬、岩手県江刺に、伊藤 茂さんという花まる農家を訪ねたことがありました。伊藤さんは、田んぼにやってくるちょうやトンボ、鳥たち生きものが大好きで、いつでもカメラを肩に田んぼに出かけるんです。
その冬も、雪の斜面に胴体着陸したキジの跡を見つけて写真に撮り、朝日新聞に載ったこともありました。

その真冬の伊藤さんの田んぼは、あたり一面雪に覆われ、見渡す限り真っ白な雪景色でした。田んぼもわずかにあぜが見えていて、田んぼの位置がわかるほどでした。
そんな雪に覆われた田んぼで、生きもの調査をやったのです。
田んぼに降り積もった雪は、上から圧縮され固く、掘ってみると45センチほどの深さでした。スコップの先に、厚さ2,3センチほどの氷が出てきました。氷を割って、ようやく田んぼの土が見えてきました。「こんな冷たい氷の下じゃ、何もいないよ」と、みんなあきらめ顔でそれでも一応土をスコップで採取しました。

と、何かが動いてる。
イトミミズだ!立派なイトミミズが、それも1匹や2匹じゃない!

土を洗って白い皿にいれきれいな水を張ってみると、いましたいました、ひとつの皿に数十匹のイトミミズがうごめいている。調査に当たったメンバーは一様に興奮、「おまえたちよく生きていたなー」と何度も声をかけていました。


そうなんです。
この時のイトミミズは、1反歩当たりに換算すると、数千万匹という驚異的な数になったのです。伊藤さんの田んぼに夏行ってみると、あぜからのぞいただけで、田んぼには本当に真っ赤なゆらゆらとうごめくイトミミズのかたまりが、あちこちに見られるんです。


土を耕してくれるイトミミズちゃん、もうすぐ春がやってきますよ!

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